活動レポート
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かんきょう講演会『じぶんごと』の生物多様性~杉並の目指すべき未来の風景~

開催日時:令和8年2月22日(日) 14:00~16:00
開催場所:環境活動推進センター3階 講座室
講 師:日本トンボ学会 副会長 須田 真一 氏
参加人数:28人
「生物多様性」は、すでに耳に馴染んだ言葉になりましたが、須田先生の講演は、地球規模の観点から身近な河原の草花まで視点を移動させるダイナミックな語り口で、親しみやすいものでした。学問的に高度な内容まで掘り下げ情報量の多かったのに、豊富な語彙と分かりやすい比喩で、とても楽しくお聞きしました。
最後に「自分ごとにするには何が必要???」「すぎなみの目指すべき未来の風景とはどんな風景???」という課題が参加者に投げかけられました。
生物の環境に適応しての進化、繁栄と絶滅の物語を聞くうちに、人間社会を連想し一種の文明批評にも感じられる内容でした。
印象に残ったいくつかのテーマを中心にレポートします。(広報委員:J.M)
生物多様性は4つの階層

生物多様性には、①種内の多様性、②生物種の多様性、③生態系の多様性、④異なる地域間の景観の多様性の4つの階層の多様性があります。
種内の多様性とは個体の多様性で、サクラソウの個体間の形態的多様性がその例です。
生態系サービス:人間にとっての多様性のメリット

人間の生活は、多様な生態系サービス(資源供給サービス、調節的サービス、文化的サービス、基盤的サービスなど)に支えられていますが、定量化することが難しく、絶滅して初めてその生物の役割がわかることもあります。
地球上には165万種以上の生物が存在

地球にはすでに約165万種の生物が発見されていますが、最も種数の多いのは昆虫で約95万種です。現在も新種が次々と発見される一方で、絶滅のスピードはより速く、熱帯林の昆虫や菌類などは発見される前に絶滅する可能性もあります。
生物多様性に迫る危機

現在、地球の生命史における6回目の大絶滅時代(5回目は恐竜絶滅の時代)であり、人間という単一種の活動がその原因です。絶滅を免れた種でも個体数や遺伝的変異の減少により適応進化の可能性を失ったり、進化の歴史から獲得した適応戦略情報が消失するなどの弊害があります。
外来種の問題

生物は、地域それぞれの環境に適応進化し多種多様となり、多くの固有種が生まれ、それが種や生物相の多様性・地域固有性につながりました。外来種は地域固有の種や生物相を大きく改変し、多様性を消失させ、生物進化の歴史を不可逆的に改変する危険があります。


