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活動レポート

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かんきょう講演会「日本の森林の今を考える!パートⅡ」

                    ※講師 太田 猛彦先生

                  

開催日時:令和2年12月12日(土) 午前10時~12時

開催場所:ウェルファーム杉並

講      師:東京大学名誉教授 太田  猛彦 氏 

参加人数:39名

 

昨年度好評いただいた太田 猛彦先生を再び講師にお迎えし、「日本の森林の今を考える!パートⅡ」を開催しました。先生は森林環境学と治山・砂防の専門家で森林が自然環境の中で果たしてきた役割を中心に、今年起こった豪雨災害や新型コロナウイルスのまん延と自然環境の関係についてもお話ししていただきました。

特に本年7月の熊本豪雨で氾濫した球磨川による大きな被害を受けて、熊本県知事の川辺川ダム建設容認の表明など最近のニュースも取り込んでの講演に受講者の皆さんは興味をそそられていました。


>※講座のチラシはこちら

豪雨と川の氾濫、山地での斜面災害の発生

※令和2年7月豪雨による球磨川の氾濫 (太田先生の資料から)

地球の温暖化による海水温度の上昇で、今までには見られなかったスーパー台風が発生しています。極端な長時間豪雨の下、堤防の決壊・内水氾濫などによる洪水被害が起き、山地では大量の貯留水が泥流流出やため池の決壊を引き起こしています。また、国産木材の需要が減り、人口の高齢化とも相まって山林は荒廃し、一たび豪雨が起こると地滑りなど表層崩壊に伴う流木災害が被害を大きくします。

適切な森林管理

※FSC森林管理協議会(太田先生の資料から)

これからは、自然と共生し、防災を考えた土地利用を計画していく必要があります。森林に関しては、適切に森林管理を進めていくために、木材・木製品などの利用を促進し、森林を整備して林業の安定的経営を促していかなければなりません。その運動を進める制度として「FSC(森林認証制度)」があります。

新型コロナウィルス感染症

※日本で新型コロナウィルス感染が少ない理由 (太田先生の資料から)

新型コロナウィルス感染に関して日本が欧米等諸外国に比べて感染者が少ない理由の一つとして、手洗い・うがいや入浴、また屋内で靴を脱ぐ生活習慣があげられています。このような生活習慣を持った理由は、清らかな水が豊富に得られる雨が多い気候、その反面、外はぬかるみ、濡れて汚れた足のままで室内に上がることができないことなどにあります。どちらにしても大量の水が清潔好きな日本人の国民性を育て、新型コロナウィルス感染拡大防止に一役買っていると言えます。